第261章 どうしてここに?

福田祐衣は微かに眉をひそめ、たまらずもう一度後ろを振り返った。

背後には薄灰色のタイルが敷かれた通路が続いているだけだ。海風が吹き抜け、ほんのりと潮の香りを運んでくるが、人影は一つとして見当たらない。

すべては気のせいだったのだろうか。

胸の奥にざわつく違和感を押し殺し、祐衣は二度と振り返ることなく大股で前へと歩き出した。

意匠を凝らしたアイアンゲートを通り抜けると、そこには手入れの行き届いた美しいガーデンが広がっていた。

綺麗に刈り込まれたセイヨウヒイラギの低い生垣が、広大な芝生をぐるりと囲んでいる。小道に沿って植えられた淡いピンクのバラが風に吹かれてそっと花びらを揺らし、辺りの...

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